防災グッズ・防災袋・備蓄品のおすすめはこれ!防災セット選び方の4つのポイントとは?
- この記事を読むと分かること
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- 防災グッズの正しい選び方が分かる
- 防災グッズのおすすめランキングが分かる
- 防災グッズの正しい使い方や注意点が分かる
- 防災グッズの種類や特徴が分かる
地震や台風などの災害は、いつ・どこで起こるか予測ができません。突然の停電や断水、避難生活が必要になることもあります。そんな「もしも」のときに備えて、日頃から防災グッズを準備しておくことはとても大切です。特に家族がいる方や高齢者、小さなお子さんがいるご家庭では、いざというときの安心感にもつながります。
本記事では、災害時に役立つ防災セットや、失敗しないための選び方について詳しくご紹介します。まだ準備できていないという方はぜひご参考になさってみてくださいね。
防災グッズを用意するなら防災セットの購入がおすすめ!
防災グッズをそろえようと思っても、「何を準備すればいいの?」「全部自分で買いそろえるのは大変…」と感じる方も多いでしょう。そんなときに便利なのが「防災セット」です。
防災セットは、災害時に最低限必要なアイテムが一式そろっており、水や食料、衛生用品、ライトやラジオなどの情報収集ツールまで、生活に必要なものがひとまとめになっています。自分でひとつひとつ買い集めるよりも効率的で、抜け漏れも防げます。
特に初めて防災対策をする方や、忙しくて準備に時間をかけられない方にはぴったりです。中には、災害の種類や家族構成に応じたセットも販売されているので、自分に合ったタイプを選びやすいのも魅力です。
また、防災セットがひとつあるだけで、万が一の際にも慌てずに行動できる心理的な安心感があります。緊急時の心の余裕は、判断ミスを減らし、安全な行動につながることもあるのです。
防災グッズセットの選び方4つのポイント
防災セットと一口に言っても、種類は実にさまざま。安さや見た目で選んでしまうと、いざ使うときに「必要なものが入っていない」「持ち運びにくい」などの問題が出てくることもあります。ここでは、防災セットを選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。
必要なものがしっかり入っているものを選ぶ
防災セットには、商品によって内容に大きな違いがあります。食料品が中心のもの、衛生グッズやライトなど生活用品が豊富なものなどさまざまです。中には便利グッズばかりで、実際には使いにくいものもあります。
選ぶ際は、飲料水や長期保存食、簡易トイレ、衛生用品、懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー、救急セットなど、最低限必要なものがバランスよく入っているかをチェックしましょう。リストが明記されている商品を選ぶと、中身の確認がしやすく安心です。
持ち運びやすい形状のものを選ぶ
防災セットは避難時に持ち出すことを想定しています。そのため、形状やサイズも重要なポイントです。
たとえば、リュック型は両手が自由に使えるため、子どもを抱えたり荷物を持ったりしながらの避難に便利です。一方で、力に自信のない方や高齢者には、キャリーケース型の方が移動が楽になる場合もあります。2wayタイプ(キャリーとリュックの両用)なら、状況に応じて使い分けられてさらに便利です。
また、重さの確認も忘れずに。必要なものが多くても、あまりに重ければ避難中に疲れてしまいます。
リュックの付属機能で選ぶ
防災リュックの中には、機能性に優れたタイプも増えています。たとえば反射材(リフレクター)付きのものは、暗い夜道でも車から視認されやすく安全性がアップします。
また、防水・防火素材を使ったリュックであれば、雨や火災の中でも中の荷物を守れる可能性があります。防災セットは中身だけでなく、バッグそのものの性能にも目を向けて選びましょう。
使用できる期間で選ぶ
防災セットに含まれている水や食料には、必ず賞味期限や使用期限があります。非常時に役立つものだからこそ、定期的な確認が必要ですが、それが手間だと感じる方も多いはず。
そこでおすすめなのが、長期保存が可能な商品が入った防災セットです。5年〜7年保存可能な食料や水が含まれていれば、頻繁な入れ替えの手間が省けます。セット購入の際には、期限の長さや交換のしやすさも確認しておきましょう。
- Point!
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防災グッズは「使う機会がないのが一番」ですが、いざというときに命を守るためには欠かせない備えです。特に日本は自然災害が多いため、日頃からの準備が安心につながります。まずは防災セットを1つ用意することから始めてみませんか? 自分や家族の状況に合わせて中身を確認・調整することで、より実用的な備えになります。「もしも」が「大丈夫」に変わるよう、今から準備を進めておきましょう。
避難場所に移動して過ごすための持ち出し品の必需品は?
災害が発生し、家から避難しなければならなくなったとき、必要になるのが「非常用持ち出し袋」です。これは、避難所での生活を支える最低限の必需品をまとめたものであり、背負って小走りできる程度の軽量さを意識して準備するのが基本です。
非常用持ち出し袋に入れておくべきもの
- 飲料水
- 最初の数時間をしのげる量で十分です。避難所に到着後は配給があることが多いため、移動時の水分補給用と考えておきましょう。1人~2人で500ml×2本が目安です。
- 軽食
- 缶詰やレトルトは避難中は重くなるため、エネルギー補給用の栄養バーやビスケットなど軽くてすぐ食べられるものを準備しましょう。
- 救急用品
- ばんそうこう、包帯、持病の薬など。持病がある方は、お薬手帳や健康保険証も一緒に入れておくと、避難所での医療対応がスムーズになります。
- 衛生用品
- マスク、消毒用アルコール、除菌ウェットティッシュ、生理用品、体温計など。特に感染症が気になる時期には重要なアイテムです。
- 安全装備
- ヘルメット、防災ずきん、軍手、ヘッドランプ(懐中電灯よりも両手が使えるので便利)など、移動時のケガ予防と安全確保に役立ちます。
- 情報収集ツール
- 携帯ラジオやスマートフォン用のモバイルバッテリーと予備電池。災害時の正確な情報取得は非常に重要です。
- 防寒対策
- アルミ製の防寒シートやタオルは、寒さをしのぐだけでなく、目隠しや着替え時の目隠しにも活用できます。
- 安眠グッズ
- 耳栓やアイマスクは避難所での睡眠の質を上げるのに役立ちます。
- 下着・靴下など
- 着替えは着ている衣料に加えて必要最低限の下着や靴下の替えを1~2セット用意してあれば安心です。
- 乳幼児用品
- 必要に応じて粉ミルク、紙おむつ、哺乳瓶など。避難所では必ずしも用意があるとは限らないため、自分たちで準備を。
枕元に置くべき「最小限セット」
特に夜間に地震が起こる可能性を考え、貴重品や常備薬、スマートフォン、充電済みのモバイルバッテリー、懐中電灯などを小袋にまとめて、枕元に置いておくのが安心です。これにより、暗闇でもすぐに避難行動を開始できます。
避難場所に移動して過ごすための持ち出し品の必需品は?
災害発生後、すぐに避難が必要ないケースでも、ライフライン(電気・ガス・水道)が停止し、救助が来るまで自宅で過ごすことになります。その際に必要になるのが「備蓄品」です。
自宅避難に必要な備蓄品
自宅避難に必要な備蓄品の目安は「家族が最長3日間、最低限の生活を送れる食品や生活必需品」です。
- 飲料水
- 飲用・調理用を含めた目安量です。家族の人数分を計算してストックしておきましょう。1人1日3リットル×3日分が目安です。
- 食料品
- 温めれば食べられるものが基本です。ご飯パック、レトルト食品、缶詰、乾パン、ビスケット、板チョコ、フルーツ缶詰など。ガスや電気が使えないことを想定し、カセットコンロとガスボンベも忘れずに。
- 非常用トイレ
- 水道が止まるとトイレが使えなくなります。家庭用の簡易トイレや凝固剤を準備しましょう。
- 照明器具
- LEDランタン、懐中電灯、大容量のポータブル電源(スマホや家電に対応)、ソーラー発電付きの充電器など、停電時の電力確保がカギとなります。
- 現金
- 停電が続くと電子決済やATMが利用できない可能性があります。日用品の購入や交通費に現金が必要になる場面も。小銭を中心に2万円ほど持っておくと安心です。
- 衛生用品・医療用品
- トイレットペーパー、ティッシュ、生理用品、マスク、消毒液、薬など。家族構成に合わせて準備しましょう。
- 防寒対策グッズ・衣類
- 毛布、カイロ、着替えなど。冬場の災害には寒さが命に関わることもあります。
ローリングストックで備蓄を習慣に
長期保存の非常食だけを用意すると管理が面倒ですが、日常的に食べるレトルト食品や缶詰などを多めに買って使いながら補充する「ローリングストック方式」なら、ムダなく備蓄できます。
防災グッズの最適な収納方法は?
防災グッズは、いざという時にすぐ使えるように「どこに」「どうやって」収納するかも非常に重要です。ここでは「備蓄品」「防災袋」それぞれ最適な収納方法についてご紹介いたします。
備蓄品はパントリーや複数の安全な場所に分散
食料や水などの備蓄品は、普段使う食品と一緒にパントリーや収納棚にまとめて管理しましょう。消費期限がわかるように付箋を貼っておき、使った分は補充する習慣をつけましょう。
また、すべてを1か所にまとめないことも大切です。地震でパントリーが倒壊してしまうことも想定し、玄関の物置や車庫などにも分散して保管しておくと、取り出しやすさも高まります。
防災袋は玄関に、持ち出し袋は枕元に
避難時にすぐ持ち出せるように、防災袋(リュック型)は玄関近くに、毎晩使うスマートフォンや充電器、懐中電灯などと一緒にする「非常用持ち出し袋」は枕元に配置しておきましょう。
玄関は家の中で最も安全性が高い場所とされており、避難経路にもなっているため、防災袋を置くには最適な場所です。持病の薬や保険証など、日常使う可能性があるものは玄関近くの小さなケースにまとめておくと、いざというときも取り出しやすく安心です。
- Point!
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防災グッズの準備は、「いつかではなく、今すぐ」が合言葉です。災害はいつ起こるかわかりません。自分や家族の命を守るため、必要なグッズを見直し、使いやすい場所に収納し、定期的な点検と補充を習慣化しましょう。まずは小さな持ち出し袋からでも構いません。一歩踏み出すことが、将来の安心へとつながります。今この瞬間から、防災への備えを始めてみませんか?
災害に備え日頃からできること
地震や台風などの災害はある日突然やってくるもの。「まだ大丈夫」と思っていても災害は待ってくれません。日本は自然災害の多い国だからこそ、日頃からの備えが何より大切になります。災害に備えるためには、日常の中でできることを一つひとつ積み重ねていくことが大切です。ここでは家庭でもすぐに実践できる備えをご紹介します。
防災情報の収集とハザードマップの確認
防災対策の第一歩は、「自分が住んでいる地域にどのような災害リスクがあるのか」を正しく知ることです。災害と一口に言っても、地震・津波・洪水・土砂災害・高潮・火山噴火など、地域によって危険性のある災害の種類は異なります。そのため、自分の地域がどのような災害に見舞われる可能性があるのかを、具体的に把握しておくことが極めて重要です。
まず活用したいのが、自治体が作成・提供している「ハザードマップ」です。ハザードマップでは、地形や過去の災害データに基づいて、浸水の想定区域、土砂災害警戒区域、津波の浸水範囲などが地図上に色分けされて示されています。これを確認することで、自宅や職場、学校周辺がどれほどの危険性を抱えているのかを視覚的に理解することができます。
特に海や川の近くに住んでいる方は、高潮や津波、洪水による浸水被害のリスクが高くなるため要注意です。たとえば、数十年に一度の大雨による河川の氾濫や、南海トラフ地震のような大規模地震による津波の影響など、最悪のケースを想定した対策が求められます。
加えて、日頃から気象庁や各自治体の公式サイト、または防災アプリなどを活用して、最新の防災情報をチェックする習慣を持ちましょう。台風接近時や大雨警報が出ている時などは、気象警報や避難情報の発令状況に常に注意を払い、必要に応じてすぐに避難行動を起こせるよう準備しておくことが大切です。
最近では、スマートフォン用の防災アプリ(例:Yahoo!防災速報、NHKニュース・防災、各自治体の専用アプリ)も多数登場しており、気象警報、地震速報、避難情報などをリアルタイムで通知してくれる機能があります。これらを活用することで、情報収集の効率を高めることができます。
また、日常生活の中で一度でも自分の住まいの立地条件や災害リスクについて考える機会を持つことで、「どのタイミングで」「どこへ避難するか」といった具体的な避難行動のイメージを持つことができます。防災は”知ること”から始まるという意識を持ち、まずは身の回りのリスクを見える化することからスタートしましょう。
家族での防災会議と避難訓練
災害は、いつどこで起こるかわかりません。そのとき、家族全員が一緒にいるとは限らず、子どもは学校、親は職場、高齢の家族は自宅に…と、バラバラの場所で被災する可能性も十分にあります。だからこそ、事前に家族全員で防災について話し合う「防災会議」を定期的に開くことがとても重要です。
防災会議では、次のような点を家族で共有しておくと安心です。
- 避難場所の確認(自宅が危険な場合どこに避難するのか、地域の指定避難所はどこか)
- 避難経路の確認(自宅や学校、職場から避難所までの最短ルート・安全なルート)
- 安否確認の方法(災害用伝言ダイヤル「171」やSNSの使用、決められた連絡先)
- 災害時に連絡が取れない場合の集合場所(家の前、公園、学校など)
- 持ち出し品の場所や使い方(防災リュックや懐中電灯の置き場所を全員が把握)
さらに、小さな子どもや高齢者、障がいのある家族がいる場合は、誰がどのようにサポートするかをあらかじめ決めておくことも大切です。役割分担をしておくことで、いざという時にスムーズな対応が可能になります。
また、いくら計画を立てていても、実際に体を動かして避難行動を体験しておかないと、本番ではうまく動けないものです。そのため、地域や学校で行われる避難訓練には積極的に参加しましょう。避難訓練では、避難経路の確認に加え、防災行政無線やサイレンの音、避難所の場所や設備、スタッフの指示の受け方なども体感できます。
さらに、家庭内での「自主避難訓練」もおすすめです。休日などを使って、実際に防災グッズを取り出し、家族で避難場所まで歩いてみる、夜間に避難してみる、停電を想定して懐中電灯やラジオの使用練習をするなど、さまざまなシチュエーションを想定した訓練をしてみましょう。
こうした備えがあると、実際に災害が発生した際もパニックにならず、冷静に行動することができます。特に子どもや高齢者は不安を感じやすいため、「いつもの避難練習通りに動けば大丈夫」という安心感が大きな支えになります。
災害時には、家族の命と安全を守るための「判断」と「行動」が問われます。日頃の話し合いと訓練が、その力を育てるのです。家族全員が同じ情報と意識を持ち、災害への備えを共有しておくことが、何よりの防災対策になると言えるでしょう。
備蓄品と持ち出し袋の準備
災害が発生すると、水道・電気・ガスなどのライフラインが一時的に止まり、スーパーマーケットやコンビニも営業停止になる可能性があります。そうした事態に備えて、飲料水や食料品をはじめとする「備蓄品」を普段から準備しておくことが非常に重要です。
備蓄の基本は、最低でも3日分、可能であれば1週間分を目安に用意することが推奨されています。具体的には、次のようなアイテムを準備しておきましょう。
- 飲料水
- 1人1日3リットルが目安。飲用だけでなく調理や簡易的な洗浄にも使える量を確保しておきます。
- 非常食
- 缶詰、レトルト食品、乾パン、アルファ米、ビスケット、チョコレートなど、調理不要または簡単に食べられるもの。味や種類を変えて、飽きがこないようにしておくのもポイントです。
- 衛生用品
- トイレットペーパー、ティッシュペーパー、生理用品、簡易トイレ、ウェットティッシュ、マスクなど。
- 生活必需品
- 懐中電灯(できれば手回し式)、モバイルバッテリー、乾電池、携帯ラジオ、ランタンなど。
- 調理器具
- カセットコンロとガスボンベ、紙皿や割り箸など使い捨ての食器類。
また、災害が起きた際にすぐ避難が必要になるケースも多くあります。そんなときのために、「非常用持ち出し袋」も必ず準備しておきましょう。これは「すぐに家を出なければいけない状況」を想定した、最小限かつ最重要のアイテムを詰めたバッグです。避難所に持っていくことを考え、背負えるリュックタイプが便利です。
持ち出し袋に入れておきたい主なアイテムは以下の通りです。
- 貴重品類
- 現金(小銭も含めて)、身分証明書のコピー、保険証、お薬手帳、印鑑など
- 救急用品
- ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬、マスク、体温計など
- 最低限の衣類
- 下着、靴下、タオル、雨具、防寒着など
- 衛生用品
- 携帯用歯みがきセット、ウェットティッシュ、ティッシュ、アルコール消毒液、生理用品
- 情報機器
- 携帯ラジオ、モバイルバッテリー、充電ケーブル
- その他
- 笛(助けを呼ぶため)、ビニール袋、マルチツール、携帯トイレ、簡易ライト、保温シート、アイマスクや耳栓(避難所での安眠に役立ちます)
非常用持ち出し袋は、玄関や寝室の枕元など、手が届きやすい場所に保管するのが鉄則です。特に夜間や就寝中に災害が起きた場合、暗闇の中で探すのは困難なので、すぐ手に取れる位置にまとめておくことが命を守ることにつながります。
また、家族構成や生活スタイルによって必要なものは異なります。たとえば、乳児がいる家庭ではミルクや哺乳びん、紙おむつが必要ですし、高齢者がいる場合は介護用品や飲み込みやすい非常食などを用意する必要があります。
防災グッズや非常食には使用期限や消費期限があるため、定期的に中身をチェックし、必要に応じて入れ替える「ローリングストック法」を活用すると無駄がありません。
災害時は想像以上にストレスがかかり、思うように体が動かないこともあります。だからこそ、備蓄品と持ち出し袋の準備は「今すぐに」「実際に手を動かして」行っておくことが、命を守る第一歩となります。
家の安全対策
地震などの災害から身を守るためには、日頃から住まいの安全対策を講じておくことが非常に重要です。特に日本の住宅は木造が多く、地震による倒壊や火災のリスクが高いため、住宅の点検と補強は災害対策の第一歩です。
まず、家の中でできる基本的な安全対策としては、家具の転倒や落下を防ぐ工夫が欠かせません。大きなタンスや本棚、食器棚などは、L字金具や突っ張り棒を使って壁や天井にしっかり固定しておきましょう。また、引き出しや扉には耐震ラッチやストッパーを取り付けて、中身の飛び出しを防ぐのも効果的です。
次に、窓ガラスやガラス扉への「飛散防止フィルム」の貼付も重要です。地震や台風の衝撃でガラスが割れた場合、飛び散った破片でケガをする恐れがありますが、フィルムを貼っておけば被害を大きく軽減できます。特にリビングや寝室、子ども部屋など、日常的に過ごす時間の長い部屋から優先的に施工していくとよいでしょう。
さらに、建物自体の耐震性を確認することも忘れてはいけません。1981年(昭和56年)以前に建築された住宅は、「旧耐震基準」に基づいて設計されており、現在の耐震基準を満たしていない場合が多くあります。このため、旧耐震基準の家に住んでいる方は、一度専門家による耐震診断を受けることを強くおすすめします。
多くの自治体では、耐震診断や耐震補強工事に関して、無料診断や補助金制度を設けています。これらの制度を活用すれば、費用の負担を抑えながら安全な住まいを実現することが可能です。市区町村の防災担当窓口や公式ウェブサイトで情報を確認し、自宅の状況に応じた対応を検討しましょう。
また、地震以外にも風水害への備えが必要です。台風や集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクがある地域では、浸水対策や排水設備の点検も重要です。外壁のひび割れや屋根の劣化、雨どいのつまりなども、災害時に思わぬ被害を招く要因となるため、定期的な点検とメンテナンスを心がけましょう。
家は家族を守る大切な場所です。その安全性を高めるためには、家具・窓・建物本体という3つの視点から防災対策を進めることが大切です。いざという時に「家が安全である」という安心感があることで、災害時の行動にも落ち着きが生まれ、冷静な判断ができるようになります。
日々の暮らしの中で、できることから少しずつでも安全対策を積み重ねていきましょう。それが、家族と自分自身の命を守る大きな力となります。
地域とのつながり
災害時には、自分や家族の力だけで対応するには限界があります。だからこそ、地域の人々とのつながりが非常に重要になります。普段から近隣住民とあいさつを交わしたり、顔の見える関係を築いておくことで、いざというときの助け合いがスムーズに行えます。
特に、自治会や町内会、自主防災組織に参加することは、地域全体の防災力を高めるうえで大きな意味があります。こうした組織では、避難訓練や防災講習会、防災マップの配布などが行われ、地域の特性に応じた災害対策が進められています。実際の災害時には、高齢者や体の不自由な方の安否確認、避難支援、物資の共有や情報伝達など、地域の協力が命を救う場面が数多くあります。
また、日常的に交流しておくことで、災害発生時にも「○○さんがまだ出てきていない」「あの家にお年寄りが一人で住んでいる」など、小さな変化にも気づきやすくなります。これにより、避難の遅れや孤立を防ぐことにもつながります。
最近では、防災アプリやLINEグループなどを使って、地域内の情報共有を行う事例も増えており、ITを活用した新たな助け合いの形も広がっています。
このように、日ごろから地域とのつながりを大切にしておくことは、自分自身だけでなく、大切な家族や地域全体の命と暮らしを守る「備え」の一つです。防災は「個人の準備」と同時に、「地域全体で取り組むこと」が大切であることを忘れないようにしましょう。
応急処置の知識と防災教育
災害時は、けがや急病などの突発的な事態に見舞われることも少なくありません。そんなとき、応急手当の知識を持っているかどうかが、生死を分ける大きな要因になることもあります。自宅や避難所で医療機関の支援がすぐに受けられない状況を想定し、最低限の応急処置の知識やスキルを日頃から身につけておくことが非常に重要です。
たとえば、止血方法や骨折時の固定の仕方、やけどや捻挫への対応方法など、いざという時に慌てずに対処できるよう、基礎的な処置法を知っておくと安心です。近年では、消防署や自治体、赤十字社などが主催する応急手当講習会が定期的に開催されており、実践を交えながら学べる貴重な機会となっています。特に、AED(自動体外式除細動器)の使い方や心肺蘇生法(CPR)については、実際に操作を体験することで自信を持って対応できるようになります。
また、応急手当の知識は大人だけでなく、子どもにも簡単な形で教えることが可能です。たとえば、「けがをしたときはどうするか」「火傷をしたときは水で冷やす」といった、年齢に応じたレベルで繰り返し教えることが、非常時の落ち着いた行動につながります。
お子さんのいるご家庭では、学校や保育園、幼稚園などの避難マニュアルや災害時の対応方針を事前に確認しておくことも欠かせません。災害発生時に保護者がすぐに迎えに行けないケースもあるため、「どこに避難するのか」「引き渡しのルールはどうなっているか」「誰が代わりに迎えに行けるのか」といった情報を明確にしておくと、家族の不安を軽減できます。
さらに、家庭内でも「子ども向け防災教育」として、地震や火災が起きたときにどう動くかを話し合ったり、避難訓練ごっこをしたりすることが効果的です。たとえば、「おはしも(おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない)」といった防災行動の基本を遊びを通して教えることで、幼い子どもでも自然に身につけることができます。
災害は、いつどこで誰に起こるかわかりません。そのときに、自分自身が”最初の救助者”となる場面も十分に考えられます。だからこそ、応急処置や防災に関する教育は、決して特別なものではなく、すべての人にとって必要な「日常の準備」だといえるでしょう。
自分と大切な人の命を守るためにも、応急処置と防災教育は、できることからコツコツと積み重ねておきたい備えのひとつです。
災害用伝言ダイヤルと感染症対策
大規模な地震や台風などが発生すると、電話やインターネット回線にアクセスが集中し、家族や知人と連絡が取れなくなる事態が起こりやすくなります。実際、過去の震災では、多くの人が「電話がつながらない」「メールが届かない」といった混乱を経験しました。
こうした状況に備えて、災害時の通信手段をあらかじめ複数確保しておくことが大切です。その一つが、NTTが提供する「災害用伝言ダイヤル171」です。このサービスは、電話回線が混雑しているときでも、自分や家族の安否情報を音声メッセージとして録音・再生できる仕組みになっており、誰でも簡単に利用できます。家族で使い方を事前に確認しておき、「災害時はまず171で連絡を取り合う」というルールを決めておくと安心です。
また、スマートフォンをお使いの方は、LINEやTwitter、FacebookなどのSNS、あるいは各キャリアが提供する災害用伝言板や安否確認アプリなども非常に有効です。これらのツールは、文字でのやり取りが可能なため、通話ができない状況でも情報の共有ができます。位置情報の送信機能や、グループでの一斉連絡ができる機能を活用すれば、家族が離れた場所にいる場合でも、よりスムーズに安否を確認できるでしょう。
さらに、災害時には避難所など人が集まる場所での生活が想定されるため、感染症対策も欠かせません。特に近年は、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、集団生活によって感染が広がるリスクが大きく注目されるようになりました。
避難所では、十分な換気やソーシャルディスタンスの確保が難しいケースも多いため、自分でできる対策をしっかり備えておくことが重要です。具体的には、以下のようなアイテムを防災グッズに加えておくと安心です。
- 不織布マスク(複数枚)
- アルコール消毒液(スプレータイプやジェルタイプ)
- 使い捨て手袋
- 体温計(非接触型が望ましい)
- 除菌ウェットティッシュ
- ゴミ袋やチャック付き袋(使用済みマスクや手袋の処分用)
- 薬(持病用、風邪薬、整腸剤など)
また、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、個別の健康状態に応じた対策や医薬品の準備も忘れずに行いましょう。免疫力が下がっている方にとって、避難所生活は身体に大きな負担となるため、快適に過ごせるような衛生用品や加湿アイテム、清潔な寝具などの用意も役立ちます。
最後に、家族全員で「災害時にどう連絡を取り合うか」「どのような衛生対策を行うか」を事前に共有しておくことが、防災の第一歩です。突然の災害時にパニックにならないよう、実際に伝言ダイヤルやアプリを使って練習してみることもおすすめです。
備えあれば憂いなし。通信手段の確保と衛生面の準備は、どちらも「いざというときに安心を届ける」重要な防災対策です。
家の中での防災対策5選
災害が起きたとき、自宅が最初の避難場所になることも少なくありません。自宅での安全を確保するために、以下の5つのポイントに注意しましょう。
家具と家電の安全を確保する
地震の揺れによる家具や家電の転倒・落下は、命に関わる大きなリスクです。固定器具を使って、家具や家電が倒れたり落ちたりしないようにしましょう。
- タンスや本棚
- L型金具やベルトで壁に固定
- 食器棚
- 扉にストッパー、ガラスには飛散防止フィルム
- テレビや電子機器
- 粘着マットやワイヤーで固定
- 家具配置
- 寝室や子ども部屋には高い家具を置かない、出入口付近をふさがないように配置
窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
地震や台風などの自然災害が発生した際、窓ガラスが割れると鋭利な破片が飛び散り、思わぬけがや二次被害を引き起こす危険性があります。特に、寝室やリビングなど普段よく使う場所の窓が割れた場合、怪我をしたり避難の妨げになったりする恐れも。そうしたリスクを最小限に抑えるために有効なのが、「飛散防止フィルム」の貼付です。
飛散防止フィルムは、透明で目立たず、ガラスの内側から簡単に貼れるものが多く、日常生活にも支障をきたしません。地震の際にガラスが粉々に割れても、フィルムが破片をしっかり保持してくれるため、ガラスが飛び散るのを防ぎ、けがのリスクを大幅に下げることができます。
また、台風時の強風による飛来物の衝突対策としても効果的で、特にベランダや道路に面した大きな窓には早めに対策を講じておくことをおすすめします。
加えて、夜間に災害が発生した場合に備え、ベッドや布団のそばにスリッパや底の厚いスニーカーを常備しておくと安心です。割れたガラスや倒れた家具の破片の上を歩くことになるかもしれないため、素足では非常に危険です。避難時のけがを防ぐためにも、足元の安全対策を忘れずに行いましょう。
大切なものは高所に保管する
地震だけでなく、台風や大雨による浸水・洪水のリスクにも備える必要があります。特にマンションの1階や戸建ての1階に住んでいる場合、水の侵入によって家具や電化製品、重要書類などが水に浸かる被害が出ることがあります。
そのため、貴重品や大切な書類(保険証、通帳、印鑑、契約書類など)、電子機器(パソコン、外付けハードディスクなど)、思い出の品(アルバムなど)はできるだけ2階や棚の上部などの高所に保管しておくと安心です。
また、高所に置くだけでは万全ではありません。防水性のあるファイルケースや密閉可能なプラスチックボックス、防水バッグを使って二重三重に保護することで、万一水がしみ込んできても中身が守られます。
加えて、棚が倒れた場合のリスクも考慮し、重いものを高い位置に置かないようバランスにも注意を払いましょう。大切なものを守るためのひと工夫が、災害後の生活を大きく左右することになります。
家屋の耐震補強をしておく
自宅そのものの耐震性が不十分であれば、どれだけ防災グッズを備えていても安全とは言えません。住宅の倒壊による被害は、生命に直結する重大なリスクです。とくに昭和56年(1981年)以前に建築された家屋は、旧耐震基準(震度5程度を想定)のもとに建てられているため、現代の大地震には対応できないケースが多くあります。
そのため、まずは専門業者や自治体が実施している「耐震診断」を受けることが第一歩です。診断結果に応じて、下記のような耐震補強工事を検討しましょう。
- 基礎の補強
- 壁の耐力向上(筋交いの追加など)
- 柱の補強や増設
- 屋根の軽量化(瓦から金属板などへ)
また、多くの自治体では耐震診断の費用補助や、改修費の一部を負担してくれる制度を設けているため、行政の窓口で確認してみるのがおすすめです。安全な住まいづくりは、家族の命と財産を守るための最重要事項です。
家の周囲の危険物を整理する
自宅内の安全対策に加え、家の外回りも災害に備えて整備しておくことが非常に重要です。特に地震や強風が発生した際には、屋外にある物が倒れたり飛んできたりすることで、大きな事故や被害につながる可能性があります。
以下のようなチェックポイントを参考に、定期的に点検・整理を行いましょう。
- ガーデニング用品
- 重い植木鉢やガーデニング用品は倒れたり落ちたりしないよう、屋内へ移動するか、風に飛ばされないように固定する。
- 屋外備品
- 工具類や脚立などの屋外備品は収納ボックスや倉庫に入れて、しっかりと施錠・固定。
- プロパンガスボンベ
- 倒れたり漏れたりするのを防ぐために、鎖や専用ベルトでしっかりと固定する。
- 屋根やアンテナの点検
- 破損や劣化がないか、年に1〜2回程度のペースで専門業者に点検を依頼。
- ブロック塀の安全確認
- 高さが2m未満か、鉄筋がしっかり入っているか、老朽化していないかを確認。基準を満たさない場合は、補強または撤去を検討。
こうした対策を日頃から意識しておくことで、自宅周辺の安全性が高まり、災害発生時の避難経路を確保しやすくなります。また、家族だけでなく近隣住民への被害も防ぐことにつながるため、地域全体の安心にも貢献できます。
これらの対策は一つ一つは手間がかかるように感じられるかもしれませんが、日々のちょっとした意識と準備が、災害時の安全性と安心感を大きく高める鍵となります。
防災グッズのよくある質問
- 防災グッズは何を優先して準備すればいいですか?
- まずは命を守るために必要な「飲料水・非常食・懐中電灯・携帯ラジオ・救急用品・常備薬・貴重品」を優先しましょう。次に、衛生用品や着替え、防寒具、モバイルバッテリーなど、避難所生活を想定したアイテムを揃えていくとよいです。
- 防災グッズは何日分を目安に備えるべき?
- 最低でも3日分、できれば1週間分を目安に備えましょう。特に飲料水は1人あたり1日3リットルを目安にし、非常食も加熱不要なものやお子さま用・高齢者用も考慮して準備すると安心です。
- 非常用持ち出し袋と備蓄品はどう違いますか?
- 非常用持ち出し袋は、避難時にすぐ持ち出すもの(軽量・必要最小限)、備蓄品は自宅での避難生活に備えて長期間使うもの(保存食や水、トイレットペーパーなど)です。用途が違うので、両方の準備が必要です。
- 子どもがいる家庭に必要な防災グッズは?
- ミルク・紙おむつ・おしりふき・離乳食・哺乳びん・お気に入りのおもちゃなどがあると安心です。慣れたアイテムがあることで、お子さんの不安も軽減されます。母子健康手帳や保険証のコピーも用意しておきましょう。
- ペットのいる家庭はどんな防災グッズを用意すべき?
- フードや飲み水、トイレ用品、キャリーケース、首輪とリード、予防接種記録などを準備しましょう。避難所によってはペット同伴が難しい場合もあるので、事前に避難先の受け入れ状況も確認を。
- 防災グッズはどこに保管すればいいですか?
- 非常用持ち出し袋は玄関や寝室などすぐ手に取れる場所に、備蓄品はパントリーや納戸など取り出しやすく温度変化が少ない場所に保管しましょう。また、分散して複数の場所に置いておくと安心です。
- 防災グッズの中で忘れがちなアイテムは?
- 現金(特に小銭)、マスク・消毒液、常備薬、下着、耳栓・アイマスク、ビニール袋、ラップ、カセットボンベなどは意外と忘れがちです。チェックリストを活用して抜け漏れを防ぎましょう。
- 食品や水の賞味期限はどう管理すればよい?
- 「ローリングストック法」を活用しましょう。日常的に使う食品を少し多めに買い置きし、古いものから消費・補充していく方法です。定期的に点検する「防災グッズ点検日(年2回程度)」を家族で設けるのもおすすめです。
- 100円ショップでも防災グッズは揃えられる?
- はい、可能です。懐中電灯、電池、ビニール袋、衛生用品、簡易食器、防寒シートなど、100円ショップでも十分実用的なアイテムが手に入ります。コストを抑えて手軽に始めたい方にはおすすめです。
- 防災グッズは市販のセットだけで十分ですか?
- 市販の防災セットは基本的な用品が揃っており便利ですが、自分や家族の生活スタイル・年齢・体調に合ったカスタマイズが必要です。 たとえば、持病の薬、メガネ、介護用品、生理用品など、個人に合わせた追加が重要です。
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編集部員 Megumi
ウェブライター
制作会社でライターとして勤務。その後、フリーランスのウェブライターとして、美容、健康、ファッションなどの記事を執筆してきました。趣味はホットヨガ、愛犬と遊ぶ、自宅で自作アロマを焚くこと。
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